サイゼリアの努力ではない、仕組みを変え生産性を上げる考え方とは!?
わずか100円でワインが飲める低価格ファミレスのサイゼリヤ。
ファミレス業界全体が不振にあえぐなか、一人勝ちを続けているサイゼリヤ。
その理由は、徹底的に「生産性の向上」を追求したコスト競争力にある。
科学に裏づけされた発想力で、店内清掃や皿洗いといったレストランでは
常識の業務も当然のように見直される。
その作業がどうして必要なのか、どんな目的なのかを原理原則までさかのぼって考え直し、よりよい仕組みをつくるためだ。
その象徴的な例が、開店前のフロア清掃。
店舗ごとの掃除時間の平均をデータ化してみると、
掃除機をかける時間にもっともムダが多く、ムラがあるとわかった。
そこで掃除機を廃して、あるものを導入したのですが、
それはなんでしょう?
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答え
通路の幅に合わせた最新式のモップ解説
「まず掃除の定義について考えました。
サイゼリヤにおける掃除とは、フロアに落ちているゴミを最終的になくすことです。
はじめから掃除機で吸い上げる理由などないのです」
フロアの規格ごとに最短の順路をマニュアル化すると、
どのスタッフでも均一の手順で掃除がすむことがわかった。
その結果、従来は開店前の1時間を費やしていた作業が半分の30分に短縮された。
実に2倍もの生産性の向上に繋がったわけだ。
「全836店舗の人件費が30分×365日分削減すると、
年間で大体1億円という試算になりました。
自分たちの作業改善によるコスト削減は、売り上げとは無関係。
仮に売り上げが下がったとしても、損益分岐点そのものが下げられれば、
企業として利益が上がる体質になっていきます」
店舗のスタッフ数が少ないのも同チェーンの特徴だが、それも生産性向上の結果だ。
フロアの仕事量を移動距離×時間で算出し、必要最低限の人数を配置する。
トレーを使わず皿を手で運ぶのは、手ぶらの移動時間をつくらないため。
忙しい時間帯は立ち止まらない。キッチンにガスレンジどころか包丁もないのは、
スタッフの技能に頼らないためだ。
こうした細かい積み重ねが、圧倒的なコスト競争力を生みだす。
「新しい仕組みをつくるときは、『この業務はなくせないか』『何かに置き換えられないか』を考えます。
扱う品目と作業を減らしてシンプルにすることで、どの店舗でも、どのスタッフでも均一なサービスが提供できる。
当社の基本姿勢は、製造業と同じなんですよ。
『売る、儲ける、努力させる』ことから『売れる、儲かる、方法を変える』という
仕組みづくりへの転換を目指しています。
もはやチェーンストアでは常識ではないのでしょうか」
ちなみに、入社試験でも論理的思考を問うというサイゼリヤの社員の大半は理系専攻といいます。
この記事を書いた人
横山 龍太(株式会社ドーンマジック 代表取締役 / 放送作家)
1977年生まれ、熊本県天草市出身。
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