【21号】観光スポットの掲載がない、人気のガイドブックの秘密とは!?
旅行の時に欠かせない観光ガイドブック。
街の魅力を紹介するうえで重要な観光アイテムとなるのですが、
島根県のある島を紹介するガイドは、観光スポットを一切紹介しないガイドブックがあり、
それが集客につながっていると言われています。
特に、大きなテーマパークなど観光スポットがなくても次々と観光客が訪れるというのです。
その観光スポットが載っていないガイドブックには、あることが多く記載され、
それが街の魅力となっているのですが・・・では何が掲載されているのでしょう。
- 答えを見る
-
答え
その街に住む人解説
2012年6月に発行されたガイドブックはタイトルも表紙も一風変わっており、
人の写真ばかりで観光名所の紹介はほとんどありません。
この本のテーマは”人が主役の地域観光”です。
島根県の中ノ島にある海士町がガイドブックの舞台です。
海士町は人口2,374人(2010年国勢調査)で、
この町には特別な名所や娯楽施設は見当たりません。
港に貼られたキャッチコピーも「ないものはない」です。
海士町のガイドブックには、例えば漁協直営店「大漁」の
波多野一輝店長(26歳)が紹介されています。
波多野店長の紹介文は、地元の魚の知識が豊富で料理のアドバイスが的確であったり、
お母さんのファンが急増しそうである、といった内容です。
ちなみに、波多野さんは2年前、京都から海士町に移り住んだのです。
波多野さんは、SNSで島の求人情報を目にし、最初は軽い気持ちで見に来ました。
田舎は寂れていて廃れていて若い人が少なくて、
みたいなマイナスイメージばかり持っていたのですが、
来てみると活気があるし、若い人も多かったのです。
見に来ただけなのに、すでに住む家まで用意されていました。
その歓迎ぶりに波多野さんは移住を決めたのです。
この島の観光客にはリピーターが多いのですが、そのきっかけに一役買っているの
が波多野さんのような移住者(過去8年で327人)です。
ちなみに、その定住率は7割といいます。
例えば、波多野さんは島での生活をフェイスブックに載せていて、
これを見た友人たちが島に遊びに来るようになりました。
海士町は過去に人口減少や借金増加で存続すら危うい時期がありました。
その頃、全国各地で市町村合併が推し進められていましたが、
海士町は近隣町村との合併を拒否しました。
町長の山内道雄さんは、その理由を次のように考えたのです。
・島には個性・特徴があり、島と島との合併には国が言う合併メリットが生かされない
・自分たちの島は自分たちで守って島の未来を自ら切り開く
こうした観光への積極的な取り組みがリピーター観光客を増やしているのです。
特別な名所などなくてもアイデア次第で町を活性化させたり、観光客を増やせることを海士町の取り組みは示してくれています。
この記事を書いた人
横山 龍太(株式会社ドーンマジック 代表取締役 / 放送作家)
1977年生まれ、熊本県天草市出身。
最新の記事
お知らせ
information- 2018年12月30日
- 【重要】コンテンツの定期更新終了に関するお知らせ
- 2017年3月20日
- Q WORDに「レゴクイズ」を追加しました。
- 2017年3月9日
- コラム『ストロング・ブレイン』を更新しました。
- 2017年2月28日
- 【野球通】全25回の連載が終了しました。
- 2017年2月28日
- 野球通に「野球日本代表・侍ジャパン検定」を追加しました。
- 2017年2月20日
- Q WORDに「任天堂クイズ」を追加しました。
- 2017年2月15日
- 野球通に「横浜DeNAベイスターズ検定」を追加しました。
- 2017年1月30日
- 野球通に「プロ野球監督検定」を追加しました。
- 2017年1月20日
- Q WORDに「夏目漱石クイズ」を追加しました。
- 2017年1月15日
- 野球通に「東北楽天ゴールデンイーグルス検定」を追加しました。