2016年10月20日
【26号】伊勢丹のリピーターをがっちり掴む営業戦略とは!?
デパートで日本一の売り上げを誇る新宿・伊勢丹。
売り上げが多い理由の一つに、高いリピート率があり、
なんと伊勢丹新宿本店での販売に占めるリピーター率は、6割を超えているのです。
しかし、こうした客は馴染みの販売員がいない時の購入率が急落すると言われています。
そのため、接触機会の増加が収益アップに直結しカギとなってきます。
そこで、伊勢丹では、接触機会を増やすため、
現在のデパート業界の逆を行くような戦略を打ち出しました。
それは、営業時間に関することなのですが・・・
ではどのような戦略でしょう?
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答え
営業時間を短縮した解説
2012年2月より、一日当たりの営業時間を1時間減らしました。
新宿・伊勢丹が営業時間を短縮するのは、オイルショック下の1973年以来のことでありました。
しかし、なぜ営業時間を短縮すると接触機会が増えるのでしょう。
それは、短縮することによって、勤務時間を2交代から1交代にすることが出来たのです。
その結果、得意客と顔なじみの販売員の接触率が2倍になり、売り上げアップにつながったというのです。
また、日本橋の三越でも、実に10年ぶり、銀座では11年ぶりに休業日を復活させました。
そのため、従業員全員同時の休みが取れるようになったおかげで、
社員同士の交流が深まり、結束力も高まるゆとりが出来、
サービスの向上につながることが大いに期待されています。
いもづるアイデア
①新宿伊勢丹の若者層を取り込むスゴイ戦略!
高級なイメージがある伊勢丹で少ない客層といえば、若者層。
そこで、同じ新宿地区にあるルミネ内に『ISETAN MiRROR Make&Cosmetics』という
コスメショップを出店しました。
ルミネの若い顧客を取り込むことが狙いで、百貨店の外に専門ショップを出店するのは
初めての試み。また、このショップではブランドの垣根がなく様々な
ブランド一斉に試すことが出来る仕掛けがあります。
②西武百貨店の新規顧客を獲得したデパ地下戦略とは!
デパ地下といえば、高級惣菜やスイーツのラインナップが一般的ですが、
西武百貨店では、その他に、スーパーやコンビニでおなじみの
セブンプレミアムコーナーを作りました。
そこでは、約700品目のPB商品を販売しているのですが、
その理由とは、デパートとスーパーをはしごして買い物する人の
不便を解消するためでした。そのため、小売の形態の壁を越えた品揃えで、
新しい客の流れをつかむことが出来たのです。
③若者層を取り込むデパートのマスコミを使った戦略とは!?
デパート業界は消費者が専門店などに流出し、顧客の年齢が
高くなっている問題を抱えていますが、
その問題を打破する一手として、大丸松坂屋では、
バレンタンデー用のチョコレートを、今までなかったある手法で
宣伝を打つことにしました。
その方法とは、ケーブルテレビを利用すること。
ケーブルテレビ最大手のJ:COMと組んで、商品開発や販売の模様などを番組で放送。
20~30代の女性視聴者を多く持つJ:COMと協力することで新規客を取り込む狙いでした。
J:COMでは、30分番組を約20回放送し、消費者の反応や売れ行きなどをみて、
今後は衣料品や雑貨などでも若い女性に的を絞った商品の共同開発を検討するという。
J:COMの提供先は全国で約364万世帯。
専門性の高い番組が多いとなどから若い世代の視聴も多いといいます。
この記事を書いた人
横山 龍太(株式会社ドーンマジック 代表取締役 / 放送作家)
1977年生まれ、熊本県天草市出身。
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