第1章はじまり
むかしむかし、あるところに「キュービ国」という小さな島国がありました。それほど豊かではないけれど、国民みんなが仲良く暮らしているラブ&ピースな国です。
キュービ国には王様がいました。王様は、レゲエミュージックを愛する優しい性格で、国民から慕われていました。
ある日、キュービ国に、どこからともなくひとりの旅人がやってきました。旅人は、王様のお城に立ち寄り、衛兵にこう言いました。
「泊まるところがなくて困っています。馬小屋のすみでかまいませんから、どうか一晩泊めていただけないでしょうか」
衛兵からの報告を聞いた王様は、「それは困っていることだろう。お客様用の部屋に泊めてあげなさい」と命じました。
お城に入れてもらえた旅人は大変よろこんで、「本当にありがとうございます。ぜひ王様にお目にかかり、直接お礼を述べさせてください」と願いました。その報告を聞いた王様は、旅人と会うことにしました。
広々とした部屋で、王様と対面した旅人は、ていねいに挨拶をして、お礼の言葉を言いました。
「王様、このたびは本当にありがとうございました」
王様はやさしく微笑みながら、「ゆっくり休んでいってください。よかったら、おいしいラム酒でもどうぞ」と言い、旅人をもてなしました。
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