第2章旅人のお礼
すると、旅人はこう切り出したのです。
「ぜひお礼をしたいのですが、あいにく旅の途中で、なにも差し上げるものがございません。そこで、お礼の品の代わりに、私の国に伝わる、面白い『なぞなぞ』をお教えしたいのですが……。わたしの国では、『なぞなぞ』がとても盛んなのです」
実は、王様は、レゲエミュージックの次になぞなぞが好き。身を乗り出して興味を示します。
「ほう。外国の『なぞなぞ』ですか。それはめずらしい。どんな『なぞなぞ』があるのですか?まさか『朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足』というのではないでしょうね?」
「いえいえ。そんなものではありません。ではひとつ、問題を出しましょう。『パンはパンでも食べられないパンは、なーんだ?』いかがですか?うぷぷぷ」
旅人は、なんだか薄気味悪い笑顔を浮かべて王様を見つめています。
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